松島で育つシングルシードの牡蠣で、離島を活性化
ABOUT
舞台となるのは日本を代表する景勝地、松島湾に浮かぶ浦戸諸島。「松島オイスターリゾート計画」は、松島湾の地形的特徴と地域資源を有効活用し、牡蠣養殖の振興のほか、観光・担い手育成などを行う複合的なプロジェクトです。
欧米が行っている干潟での潮間帯養殖法を導入した牡蠣づくりで、海外の競合と戦える牡蠣を生産します。さらに、観光事業、担い手育成事業と連動させながら、浅海漁業の振興と交流人口拡大を推進し、日本国内におけるグローバルスタンダードな牡蠣の一大生産地を目指します。
BACKGROUND
2050年、1億人近くまで人口減少する見込みの日本。ところが、世界人口は100億人に届くといわれています。海外各国から日本の食へのニーズは日々大きくなっているのです。
しかし今、日本の牡蠣養殖は増大する需要に対応するのが難しい状況にあります。
一つはサイズ。海外で需要のある牡蠣のサイズは50グラムほどと小さめ。サイズが大きなものほど高値がつく日本とは対照的です。
もう一つは牡蠣の育て方。フランスやアメリカなどの欧米では潮の干満を利用し、適度な干出と動揺を与えて養殖します。厳しい環境下で養殖することで、生存期間が長く、貝柱の大きな牡蠣が育ちます。一方、日本では通年、海中に浸かったまま養殖を行うため、牡蠣が弱く、ハードな空輸に耐えることができません。
今のままでは安定した輸出、ひいては稼げる水産業の実現は難しい。なので、私たちは「マーケットイン」の養殖を徹底し、干潟での潮間帯養殖を導入。小ぶりで強い牡蠣(シングルシード)を養殖します。
さらに、私たちのプロジェクトは輸出に止まるものではありません。牡蠣養殖を通じて離島の活性化を目指す私たちは、観光事業や地域の担い手育成にも注力します。
シーカヤックを活用し、海上で牡蠣を食べられるアクティビティや松島湾が一望できるレストランの建設も構想中です。牡蠣養殖をハブとして、地域に人を呼び込み、浦戸諸島の活性化に貢献します。
RESULT
2020年 実証実験スタート
2021年 農林水産省が主導するGFPとして採択
※GFP: Global Farmers / Fishermen / Foresters / Food Manufacturers Project の略称であり、農林水産省が推進する日本の農林水産物の輸出プロジェクトです。